竹は生きていた材です。切って削ったあとも、湿りと乾きに合わせて動きます。手入れといっても難しいことはありません。吹いたあとに水気を抜き、急な乾燥を避ける。この二つを守るだけで長く保ちます。

吹いたあとに

管の内側には息の水滴が残ります。そのままにすると匂いの元になり、内壁が荒れてきます。

吹き終えたら、歌口を下に向けて軽く振り、水気を落としてください。そのあと、柔らかい布を通して内側を拭きます。細い管に無理な力で布を押し込むと歌口を傷めるので、ゆっくり通します。

乾かすのは陰です。日なたに置くと表面だけが先に乾き、内と外の差で割れることがあります。

しまい方

置き場所で気をつけるのは三つです。

避けるもの理由
直射日光表面だけ乾いて割れの元になります
暖房の風急な乾燥が最も割れを招きます
車の中夏場は高温になり、管が反ります

袋に入れるなら、湿気がこもらない布の袋を選んでください。密閉できる袋は、乾く前にしまうと内側が傷みます。

年に一度の油差し

竹は乾きすぎると縮んで割れます。年に一度、内側に油を薄く塗ると落ち着きます。

乾燥した季節の入り口、秋の終わりごろが目安です。細い棒に布を巻き、椿油などの植物油をごく少量含ませて内壁をなでます。塗りすぎると音が湿るので、布が湿る程度で十分です。歌口の削り面には塗りません。

割れてしまったら

細い割れなら止められます。広がる前にお持ちください。糸を巻いて留める、内側から補強するなど、割れ方に合わせて直します。

歌口の欠けや、音程が合わなくなった場合の調整も承ります。長く吹いた管ほど、直す値打ちが出てきます。

はじめの数か月

新しい管は、吹くほどに内側が馴染んで鳴りが変わります。買ったばかりのころに音が硬いと感じても、しばらく吹き続けてみてください。落ち着くまでに一、二か月ほどかかります。